ピクニックatハンギング・ロック 感想とネタバレ

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美しすぎる〇〇、という安っぽい煽り文句が日本には溢れています。

しかし本当に美しすぎるとどうなるのか、この映画を見ればわかるかも知れません。

お嬢様学校で起こった、少女達が集団で神隠しにあった事件。

実話の映画化という触れ込みで公開されましたが、フィクションです。

でも実話かどうかなんてどうでもいいです。

それほどまでに美しく薄ら怖い、大好きな映画です。

私はこの映画を見た後、頭がボーッとしてなかなか現実に戻れませんでした。

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次元の違うお嬢様学校に集う次元違いの少女たち

オーストラリアの男性はみなクロコダイルダンディーみたいな素朴なナイスガイで

女性はみなニコール・キッドマンみたいな強い美女ばかりだと思っていたので、「清く正しく美しく」が服を着ているような超正統派お嬢様学校がオーストラリアに存在するとはツユとも思いませんでした。

無知と偏見って怖い(笑

悲し気なオカリナの調べに乗って映し出される、アップルヤード女学院寄宿舎の朝の光景から物語は始まります。

優しく微笑みながら目覚め、花を浸した水で顔を洗い

ルームメイトが手渡してくれた殿方からのラブレターに、瞳を輝かせて微笑み

遠足の岩山登りにさえ、全員が真っ白いヒラヒラのワンピースでお出かけ。

あああなんというたおやかさ。これぞ女子。

「あー全然寝た気がしないわー。」とアクビしながらLINEをチェックするなんて、アップルヤード女学院のお嬢様方は絶対になさらないのです。

男性からのラブレターの内容も、詩そのもの。

会って下さい 美しい人
高貴さゆえに あなたを愛す
深く 輝く瞳
額の甘美な趣ゆえ
その高貴な物腰ゆえに
あなたを 愛す

映画「ピクニックatハンギングロック」より

↑は殿方からのラブレターのほんの一部ですが、もう私ら現代の庶民とは、住む次元が完全に違うのですね。

女学生の一人、ミランダを演じるアン・ランバートがこれまた次元違いの美しさ!

ルネサンス絵画から抜け出してきたよう。

アン・ランバートのご尊顔を拝見した後では、日本のマスコミが必死で煽る何十年、何百年に1人の美少女とか「はあ?」ですよ。

まあ〇年に1人の彼女たちも確かに可愛いけどさ…。

ミランダを中心とする少女たちが、遠足で訪れた岩山の奥に吸い寄せられるように消えてゆく場面では、背筋がゾッとしました。

美しすぎるものを目にすると、人は不気味さや恐怖を感じるんだなと思いましたよ。

そんなの私だけかも知れませんが。

美しく不気味で静かな世界は、取り残された一人の少女の絹を裂くような絶叫で一変します。

生徒たちが集団で行方不明となった学校は、大騒ぎとなります。

学院の評判は地に落ち、学生たちも教員たちも次々に学院を去っていきます。

経営難に陥った学院を気に病み、貧しい生徒セーラに執拗にいじめ行為を繰り返す女性校長。

行方不明になった少女たちのうちでたった一人、奇跡的に発見されたアーマを取り囲んで責め立てる在校生たち。

残された誰もが不安と狂気の狭間で苦しむ様子が、淡々と描かれます。

ミランダを探しに行き逆に遭難してしまう青年(使えねーな)や、青年の友人とセーラの奇妙な縁なども織り交ぜながら、物語は悲劇的な結末を迎えるのです。

 

ここからネタバレ

校長がわけのわからない亡くなり方をするのは別にいいとして(笑

最後まで謎は何一つ解明されることなく、少女達も二度と戻っては来ず、美しく不気味な雰囲気を漂わせたままで映画は終わります。

観終わった後、私は頭がひどくボーッとしてしばらく元に戻りませんでした。

自分の家のリビングにいるはずなのに、どこか全く知らない空間にいるような、自分がどこの誰かもはっきり思い出せないような気分がしばらく続きました。

「ピクニックatハンギング・ロック酔い」とでも言えばいいのでしょうか。

その日はもうずっと自分の周りに現実感を持てず、頭が全く働かずほぼ何もできない状態でした。

池田理代子の絵で山岸涼子の世界を濃度3倍で描いたような映画でした。

昔の少女漫画に興味がない方には、わかりにくい表現で申し訳ありません。

↓このミランダは映りがイマイチ

VHSやDVDが発売されては廃版、を繰り返してきている不遇の作品でもあります。

こういう映画こそ、DVDで残すべきだと思うんですけどね。

中古品もモノによってはかなりの高額で出ているようです。購入を希望される方は、妥当な価格のものを上手に探してみてくださいませ。

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